アイスクリームの続きです。まだ読まれていない方は、先にそちらをお読頂く事をお勧めしますw

 

お疲れ様

 

「ん〜・・・さすがに、2週間も作業させれば、お前らにさせることも無くなってきたなぁ。」

生活指導の先生が、日誌を開きながらのんきに言う。

そりゃそうだ。

世間の学生達は、夏休み真っ盛り。

その上、帰宅部の俺達は、学校に出て来ることも無いはずのこの時期に!

たかが、深夜徘徊を見つかったくらいで、毎日毎日2週間も奉仕作業をさせられたのだ。

2週間も学校のために奉仕して、まだすることが残ってるなんて事が、あっていいはずが無い。

「そだなぁ・・・じゃぁ、奉仕作業は今日で終わりということで・・・まぁ、いいだろ。」

待ち望んでいた先生の言葉。

でも、心身ともに疲れすぎて、喜ぶ元気すら残ってなかったのが事実だ。

「どうした2人共。ん?うれしくないのか?もし、あれならまだ続けてもいいんだぞ、奉仕作業。」

ケラケラと高笑いをしながら言う先生に、あきれながら樺月が言う。

「いえ・・・もう、こりごりですので・・・。」

「そうかぁー残念だな。でも、これを気に、もう深夜徘徊なんてしないことだな!

じゃぁ、今日は最後だし自分達の教室の掃除でもして来い。最後だからってくれぐれも気を抜くなよ〜。」

それだけ言い残すと、先生は自分が顧問をしている部活の指導へと出かけていった。

「おわったら声かけろよ!」

と、最後の一言ももちろん忘れずに。

「行っちゃったね。」

「あぁ、行ったな。。。」

樺月と貴緒はお互いに目を合わせると、そそくさと最後の作業場所である教室へと向かった。

「じゃぁさ、俺は廊下を済ませてくるから、貴緒は先に教室の掃除をしててよ。」

「・・・なぁ、樺月。教室掃除ってさ・・・普通にこのほうきではわけばいいんだよな?」

貴緒が掃除用具箱の中をあせりながら、問いかける。

いや、まさかとは思うけど・・・。そうだよ・・・そんなことありえないよな。。。

なんて、自問自答を繰り返しながら、樺月はきになって居た事を、貴緒に問いかける。

「・・・まさかとは思うけどさ、貴緒って教室の掃除はしたことあるよな・・・もちろん。。。」

貴緒が不思議そうな顔で振りえる。

「教室の掃除・・・?何、樺月はした事あんの?教室掃除。」

「・・・ふっふっふっっっふざけるなよ!!教室掃除なんて、今まで当番制で回ってきてただろ!!」

樺月はまさに怒り心頭という感じで貴緒に詰め寄る。

「えっえっ・・・いや、そんなの知らないけど・・・。」

「うそつくなよ!今まで当番制で回って来てただろ!みんな決められた日に放課後残って掃除してんだぞ!

それなのに、貴緒はまた、さぼってたって言うのか!?」

あまりの樺月の剣幕に貴緒は訳が分からず、たじたじだ。

「うっそんなこと言われたって、今まで言われたこと無いんだからしょうがないだろ!」

「!!!貴緒はいつもそうやって、逃げる!現にここの掃除当番表にも貴緒の名前があるだろう!!」

そういって樺月は黒板横に張り出されている教室掃除の当番表を指差す。

「ほらっ貴緒の名前が!・・・貴緒の名前・・・。

明らかに困惑顔の樺月の元へ貴緒がそっと近づき、当番表を覗き込む。

「・・・貴緒の名前がどうしたの?」

「・・・ない・・・。」

確かにあるべきはずの貴緒の名前はそこには無かった。

「ほら、やっぱり俺の名前入ってない。俺に連絡着てないはずだ。」

貴緒はにこにことしながら答える。

樺月は慌てて掃除当番表の横に張ってある、日直当番表にも目を通す。

「・・・こっちにも無い・・・。」

掃除当番表と同じく、日直当番表にも貴緒の名前は無かった。

「・・・なんだよ・・・これ。」

そういって、樺月は貴緒の顔をまじまじと眺める。

「ん?どうしたの?何か顔についてる・・・?」

貴緒は顔をごしごしと擦る。

「なぁ、貴緒。」

「ん?何?」

「お前ってさ・・・。」

「ん、だからどした??」

2人の間に嫌な沈黙が流れる。

「ここのクラスだったっけ・・・?」

樺月のあまりにも突拍子に質問に貴緒も思わず笑いそうになる。

「ふふっそんなの当たり前だよ。ほら、現に出席名簿には俺の名前乗ってるしw」

貴緒はそういって、クラス名簿を樺月の目の前にかざす。

当たり前なのだが、そこに書いてある貴緒の名前は、こいつが同じクラスと言うことをあらわしているわけで・・・。

では、何故こいつの名前が、掃除当番や日直に入っていないのか。

冷静に考えてみれば簡単なことだった。

こいつがただ、不真面目だから。

きっと、それだけの理由だ。

貴緒に掃除当番を任せても、きっとサボるに決まってる。

うちの掃除当番、日直は2人一組でペアになっている。

そうすると、迷惑が掛かるのは、貴緒のペアになった子だ。

おそらく、誰もそんな理由から、誰もが貴緒とペアを組むのを拒んだのか、初めから貴緒がするわけないと、諦められていたのか・・・。

それは、定かではないが、自分の幼馴染のこの男は、本当にどうしようも無いくらい駄目な男だと言うことには違いない。

「・・・じゃぁ、俺も一緒に手伝うから、先に教室から片付けよう・・・。」

こんなところで揉めていてもしょうがない。

大体、貴緒に任せるよりも、自分でしたほうが、確実に早く終わるだろう・・・。

 

それからはもう、風の如く作業は進んだ。

貴緒は思いのほか、さっさと掃除をしてくれたし、夏休み中で汚れが少なかったというのもあるかも知れないが。

まぁ、貴緒の場合は、早く帰りたい。それだけの事だろう。

そそくさと掃除を終わらせて、そのまま生活指導室へ向かう。

運良く、担当の先生は部活の指導が終わったのは、生活指導室に居た。

「失礼しまーす。教室掃除おわりましたぁーーー。」

「おぉ、意外と早かったなぁ。もちろん、手抜きはしてないだろうな?」

「「もちろんです、」」

「そかそか。それならいいんだ。では、今までご苦労様だったな。今後はこういったことの無いように!わかったか?」

「あーい。」

意緒の生半端な返事に生活指導の先生は頭を抱える。

「お前には、いくら言っても一緒みたいだな・・・。樺月、貴緒のこと頼むぞ、このままじゃ進級さへも難しそうだ・・・。」

「・・・はい・・・。」

どうしてそれを自分に頼むのか・・・。

学校から帰りの道で樺月は貴緒に愚痴を言う。

「ん〜それは、樺月が俺の保護者だから??」

「ふんっ俺はお前の保護者になった覚えはこれっぽっちもないぞ。」

「でも、まー、周りからはそう見えるんだから、仕方ないじゃん?それより、奉仕作業終わっちゃったね。」

貴緒がどことなく、寂しそうに言う。

「・・・何?うれしくないわけ?俺は、清々してるんだけど。」

「ん・・・奉仕作業が終わったことはそりゃうれしいけどさ、もう、樺月とこうやって学校に一緒に行って一緒に帰ることも、

夏休みが終わるまでは無いんだなぁ・・・ってさ。この2週間もすごく長かったけど、夏休みが始まるまでの2週間の方が、もっと長かったりして・・・なんてね。」

その貴緒の言葉で、先日貴緒から言われた事を思い出す。

「なっ何バカな事言ってんだよ。俺は、貴緒の顔を見ないで済んでうれしいんだけど。」

”おれ樺月のこと好きだし。うん。。。ずっとずっと樺月のこと見てたよ。”

そうあの一言のせいで・・・いま思い出しても体が熱くなる。

しかも、この状態は危険だ。

この前も、同じような事を言って、俺が冗談であんな事をいったら、あっさり肯定しやがった。

だから、今日は間違っても、「好きな男の子の好き嫌いまでチェックる、恋する乙女の発言だぞ。」なんてことは言わない。

無視、そう無視が一番だ。

そのあとはたわいもない話を繰り返しながら、2人の分かれ道まで来た。

貴緒は何事もなかったかの用に、普通に話を続けている。

それが、何故だかは分からないけど、イラッとした。。。

貴緒との分かれ道で立ち止まる。

いつものように、「じゃぁ。」と一言いって、帰ればいいはずなのに、それが何故か出来ない。

自分は貴緒に何を望んでいるのだろうか。

自分でもそれが分からず、ただただうつむく事しか出来ない。

「樺月・・・?」

不振に思った貴緒が顔を覗き込んでくるが、もう、何が何なのか訳がわからなくて、どうすることも出来ない。

自分はいったいどうしたんだろうか。

自分の機構回路が理解できない。自分のことなのに、分からないなんておかしいかも知れないけど。。。

「どっか悪いの?もしあれなら、家まで送っていくよ。」

貴緒はそっと肩を掴んで俺を上に向かせる。

目を合わせるとまた気が変になりそうで、顔を見ずに答えた。

「いや、ちょっと疲れただけ・・・。じゃぁ、帰るよ。」

そういうと、貴緒は明らかに安堵したように、樺月の肩からゆっくりと手を離した。

「じゃぁ、ゆっくり休めよ。・・・・・・・じゃぁ、また新学期に。」

意緒はそういい残すと、振り返る事もせずに自分の家路へと帰って行った。

”新学期に”貴緒から出てきたその言葉に胸がチクリと痛んだ。

貴緒とは幼馴染という事には変わりないが、毎日のように遊んだのは小学校の時の話。

中学生からはそれぞれ違う友達が出来て。

高校生になってからは、本当に遊ぶ相手が居ないときに、貴緒が声を掛けてくるくらい。

だから・・・「新学期に」貴緒の言った事は別になんでもないことで。

今までの自分なら、普通に流せていた会話なのに、何でこう胸に突っかかって来るんだろうか。

そう、全ては貴緒。あいつのせいなんだ。

あいつが悪ふざけで変な事言ったりするから。

そのくせ、何も無かったような態度をとったりするから。

貴緒と居ると最近ひどく疲れる。

でも、もう2週間会うことも無いんだ。

そうだ、喜ばしい事じゃないか。自分は何を落ち込んでいるんだろう。

そう、貴緒と会わなくて清々する。そう、清々するんだ。

樺月はそう自分に言い聞かせると、貴緒の存在自体頭の中から消し去るように、駆け足ぎみで家路を急いだ。

 

・・・学校に行く必要性も、貴緒に会う必要性もなくなった今日も、樺月の体は早く起きるということを、忘れていないらしい。

いつも通りどころか、いつもより、1時間も早く目が覚めて。朝の6時。

もう一度寝ようと布団に潜り込むが、2度寝が出来ない体質の樺月にはどうすることもできなかった。

のろのろと布団から抜け出すと、朝食をとりに1階へと足を進めた。

「あら、樺月早いのね。今日は、学校ないんでしょう?」

すでに起きていた母は、父と部活に行く弟のお弁当を慌しく作っている。

「うん、特に用事はないんだけどね。」

そう答えながら、いそいそと朝食のトーストをオーブンに入れる。

「じゃぁ、貴緒ちゃんと遊べはいいじゃない。」

何気ない母の言葉にギョッとする。貴緒ちゃんって・・・。まぁ、母は小学生の時の貴緒しか知らないのだからしょうがないのかも知れない。

「なんで、せっかくの休みでさへ貴緒なんかと会わなきゃいけないんだよ。それにあいつは、誰か友達とでも遊ぶだろ。」

焼けたトーストを皿に盛り付け、テーブルまで運ぶ。

「そうなの・・・母さん久しぶりに貴緒ちゃん見たかったのになぁ。でも、小学校の時は暇さへあれば、キオちゃんキオちゃんだったのにねぇ。」

「そんな、昔のことひうのはひゃめてくれぉ。。。」

モゴモゴとトーストを口へと運ぶ。

せっかく、貴緒のことを忘れかけてたって言うのに・・・。

また、ざわざわしてきた胸を誤魔化すかのように、TVを付ける。

「じゃぁ、ちょっお買い物に行って来るわね。」

それから、1時間ほどだろうか。

ボーっとTVを眺めていたが、母の言葉で意識が戻る。

気づけは、父も弟も出かけており、母と2人だけになっていた。

それどころかTVを見ていたはずなのに、TVの内容すら覚えていない。

これは重症だ・・・。

誰も居なくなった家。

家族が居ないときに連れ込む悪友が居るわけでもなく、かといってガールフレンドなんて居るわけもなくて、仕方なく自分の部屋へと戻る。

べっトへと倒れこみ、いろいろな事を考える。

結局頭に浮かんでくるのは貴緒しか居ないのだが。

もう、抵抗したって無駄だ。

もう、自分の頭の中には貴緒しか居ないらしい。

諦めのため息と同時に寝返りを打つと、自分の携帯が目に入った。

メールの受信を知らせる、赤いランプが点灯している。

きっと、期待はあったと思う。

第一、何への期待なのか考えるより前に、メールを開いてしまっていたのだが。

メールの差出人は紛れもなく、貴緒本人だった。

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樺月へ

2週間、お疲れ様!

ほんと樺月には迷惑をかけちゃったけど、樺月が居てくれてよかったよ。

実は、もう樺月と一緒に学校に行く必要もないのに、早起きをしちゃってる自分が居たり。

樺月はどう?樺月も早く起きた?

俺達って、何時から何か理由がないとあえないようになったんだろうな。

昔はただ、一緒に居たいから一緒に居た。

それが、どうして今は出来ないんだろうって思うよ。

樺月は俺を居るのはいやか?

俺は理由なんかなくても樺月に会いたい。

会いたいんだよ。

また、昔みたいに何の理由もなくても、一緒に入れる仲になりたいって思う。

幼馴染としてもそうだし、違う意味でも・・・。

染谷貴緒は誓います!

樺月からの電話は何が何でも、3コールのうちに出るよ。

だからさ、もし会いたくなったら、何時でも電話してくれよ。

樺月の居るところならすぐに駆けつけるからさ。

ではでは、貴緒でした。

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メールを読み終えて、ふっとため息を漏らす。

あいつは、本当に平和な奴だ。

自分の言いたい事を言いたいだけ言って。

でも、胸のざわめきが少し取れたような気がするのは気のせいだろうか?

まぁ、今となってはどうでもいいことなんだが。

携帯の中からあいつのメモリーを探す。

探すって言うのはそれこそ、言葉だけで、悔しいことに、あいつの登録番号はNo,1。

そして、自分も物好きだなって思う。

苦笑いを浮かべながら、通話ボタンをプッシュする。

あいつは約束どおりに、2回目のコールで電話に出た。

「樺月??」

ちょっと、びっくりしたような声。

まさか、本当に自分が電話をしてくるなんて思っていなかったのだろう。

それがちょっと面白くて、つい笑いそうになる。

「・・・暇なんだよ。しょうがないから遊んでやってもいいぞ。その代わり10分で来いよ。」

あいつの家からは歩いて15分。10分で来るなら走らないと到底間に合わないだろう。

それだけ言い残して、電話を切ろうとしたときに、「5分で行くから!!」と叫ぶあいつの声。

5分か・・・。あいつもなかなかやるな。

時計を見ながら考える。

5分はさすがに無理ではないだろうか・・・。

でも、あいつならやりかねないな。

しょうがないから、5分でこれたら、笑顔で迎えてやろう。

「おつかれ様」

ってね。

 

 

 

はい、アイスクリームの2人の続編ですw

長いね・・・。

本当はさらっと終わらせるはずだったんだけどなぁ。。。笑

やっぱり、この2人は好きですねぇ。

で、貴緒は5分で来れたのでしょうか?

それは、ご想像にお任せします笑

この、家に来たあとの続きが書きたいなぁ笑

ではでは、このかでしたww

良かったら感想くださいねw

 

2006 09 07