アイスクリーム

 

「うぅ〜あっちーよ。」

もう、世間の学生達は夏休みを満喫しているであろう、8月の初旬。

貴緒と樺月は2人並んで家までの道を歩いている。

「でも、ほんと着いてないよな。。。夜中コンビニに出かけたところを生活指導の先生に見つかるなんてさ。あぁ、かわいそうな貴緒ちゃん。。。」

「そんなこと言うなら、お前に無理やり連れ出された挙句、先生に見つかって、奉仕作業をさせられてる俺はどうなるわけ?」

先生に見つかったのは、本当に運が悪かった。

しかも、その先生が生活指導で、厳しいと有名な先生と来た。

少しの奉仕作業は覚悟していたが、もう、奉仕作業のため朝から学校に通うようになって1週間だ。

まったく、いつまで続けなくてはならないのだろう。。。

「はぁ〜でも、本当にいつまで続くんだろうなぁ。大体なんで深夜徘徊位でこんなに長い期間、奉仕しなくちゃいけねーの。」

貴緒はぶつぶつ言いながら、薄っぺらにつぶれた学生かばんで体を仰ぐ。

それでも、この暑さだ、なまる温い風が頬を伝った。

「大体さ、貴緒の態度に問題があるだろ。確かにむかつくけどさ、ここはヨイショしとかないと。何時までたっても、終わんないよ?」

「でもさ、ムカつくじゃん、人を召使みたいに、あれしろこれしろって。」

「はぁ〜、そこを我慢しないといけないんじゃん。そんな考えじゃ、この世の中渡って行けないよ。」

「はいはい、出ましたよ、樺月の八方美人。それに、俺はそんなお世辞言ったりするくらいなら、そんな平和な人生歩まなくていいね。」

「はぁ〜なんで、お前ってそうなの?まっ俺には関係ないけどさ。」

「関係ないってひどいなぁ〜。落ちる時は樺月も一緒だよ。いざというときは、俺と一緒に新たな世界に羽ばたこうぜ。」

貴緒がケラケラと笑いながら、樺月の肩を抱き寄せる。

この暑さの中ベタベタとくっついてくる貴緒を横目でにらみながら、樺月は今まで幼馴染の貴緒に振り回されてきていたことを思い出す。

本当にいろいろなことがあった。。。

はっきり言って、「ウザイ」の一言だが、それでも貴緒をほっとくことの出来ない自分が居る。

「はぁ。。。俺の今までの思い出って、必ずどこかにお前が居るよ。ほんと、迷惑ばっかり翔られたよな。。。」

「ハハ八ッそうだっけ?まぁ、これからもどんどん迷惑かけていくつもりなんでよろしく。」

「ちっ・・・でも、お前ってなんか、雑誌の付録みないだよなぁ。しかも、ものすごい邪魔デカイやつ。無理やり本の間に挟んで合ってさ、別に役に立つものでもないし、邪魔だし。だけど、無かったらなんか、寂しいんだよな(笑)」

「・・・どうしたの?何?もしかして愛の告白?」

自分はいたって真剣に話して居たのに、貴緒から帰ってきた言葉にムットしながら、肩にかかった手を振り払う。

「ほらっそんな怒るなって。」

貴緒は、振り払われた手で、樺月の頭をポンポンと叩く。

「やめろっ俺はそんなことで機嫌を直すように、子供じゃないんだよっ!」

「そうかぁ〜じゃぁ、どうしたら許してくれるの?」

樺月は黙って考える。

すると、前から、涼しさを誘う鈴の音が聞こえてきた。

音のするほうを見れば、どうやら昔ながらの移動アイス屋のようだ。

「・・・じゃぁ、アイス買ってくれたら許す。。。」

「へっアイスでいいの?そかそか、やっぱり子供なんじゃん。」

「あぁ?何か言ったか?」

「いえいえ、女王様の願いであればなんなりと。」

貴緒が、笑いながらアイス屋さんへ走っていく。

それを俺は、少し離れたところで見ていた。

楽しそうに店主と話をする貴緒。

「ふんっお前の方が、子供だっつうの。」

1人でぶつぶつ言っていると、急に貴緒が振り返り、申し訳なさそうな顔でふらふらと歩いてきた。

「何?アイスはアイス。」

「それがさ・・・財布忘れて着ちゃって・・・。」

今までの元気がうそだったように、シュンッと小さくなってしまった貴緒。

「ったく、役に立たないなぁ。でも俺も財布持ってきてねーよ?かばんの中に、60円あるだけ。」

樺月は、かばんの中かをがさごそとあさり、60円を貴緒の方に尽き出す。

でも、1本100円のアイス。60円で買えるはずがない。

そう思い、出した手を引っ込めようとして、その手を貴緒に捕まれる。

「あ?何だよ。」

貴緒を見れば、輝かんばかりの笑顔。

さっきまでのしょぼくれた顔が嘘のようだ。

(こいつコロコロコロコロ表情が変るよな。。。ここまで顔で自分の気持ちを表現できるのって、ある意味尊敬かも。)

樺月はどちらかといえば、いつでもポーカーフェイスを作っていたし、嫌なことでも、軽く微笑んで話を流すし、とってもうれしい事でさへ、周りの反応を気にして、やはり微笑むくらいだ。

それに比べ、貴緒とくれば、嫌なことは顔に出し、それが原因で喧嘩なんて何時もだし、うれしいことは、体全体でうれしさを表現する。

そのおかげか、「女子にはかわいい、素直。」と大評判だ。

「・・づき・・・かづき・・・樺月!聞いてる?」

「あっあぁ、悪い、ちょっと考え事。で、何?どうせ、アイスも買えないんだし、早く帰るぞ。暑いだろ。」

「まってまって、アイス買えるよ!実は俺、40円なら持ってるんだよね。2人あわせて100円。俺らってやっぱり愛称抜群なんだなぁw」

そういって、樺月の手から60円を取り、またピョコピョコと跳ねながら、アイス屋へ行く貴緒の背中を見送る。

(まぁ、最後の愛称抜群には引っかかるが、アイスは買えるみたいだし結果オーライということか。。。)

そうするうちに、貴緒がアイスを持って帰ってくる。

手元を見れば、まだ自分が小学生だったころに良く食べたアイス。

棒アイスなのに、棒が2つ付いていて、2に割って食べるアイス。

確か、味はソーダ味。

急に懐かしさがこみ上げる。

「へぇ〜このアイスってまだあったんだな。小学生の時に良く食べたわ。」

「でしょでしょw俺も懐かしいな〜って思って、はいこれ。」

貴緒はそういって、アイスを2つに割、1本を樺月に差し出す。

「えぇ〜貴緒も食べるのかよ。大体さ、考えてみれば、俺がアイスをおごって貰うはずだったのに、俺の方がお金出してるってどうよ?」

考えはじめると、腑に落ちないことばかりだ。

「まぁまぁ、昔もお金なくて、2人で半分こして食べてたじゃん。なんか、このアイスは半分こして食べるのが俺達の中の決まりみたいな?」

「何だよそれ・・・まぁ、確かに、今日は状況が状況だし仕方ないけどさ。。。」

そういって、この暑さで溶けかかっているアイスを口に運ぶ。

さわやかなソーダの味がのどを伝って落ちていく。

「・・・それに、樺月はクリーム系は駄目だろ・・・。」

貴緒がぼそっと呟く。

「そうそう、でも、お前よく知ってるなぁ〜。アイス食べるのさえも、小学生以来なのに。」

その言葉に、貴緒が少し悲しそうな顔をする。

「当たり前でしょ。ずっと、樺月の事見てたもん。。。」

貴緒の言葉に内心ドキッとしながら、そんな気持ちが悟られないよう、笑って答える。

「ククッなんだよそれ。気をつけろよ。それじゃぁまるで、好きな男の子の好き嫌いまでチェックる、恋する乙女の発言だぞ。」

「ハハ八ッそうかもな。現にさ、、、おれ樺月のこと好きだし。うん。。。ずっとずっと樺月のこと見てたよ。・・・ハハッなんてね。」

そういって、貴緒は黙って歩き始めた。

樺月の手を握ったまま。。。

今までに無いくらいに真剣な貴緒の顔。

樺月にも、貴緒がふざけていないことは分かる。

アイスで冷えたはずの体に、1つの熱が生まれた様な気がした。

 

 

 

 

 

あとがき

ふぅ〜やっと終わった。。。

リヴの小説ネタは、いくつか作っているのですが、こうやって1本のお話にしたのはこれが初めてです。

うっあぁ〜文才ないね笑

一見普通の小説と思いきや、最後はBLのスパイスも忘れずにねっ笑

この2人は結構お気に入りw

キオ☆と樺月☆ですが、設定では、高校2年生になります。

CPもスキですが、高校生設定も好きかもw

でも、リブってパラレルはすごい書きにくいね(汗

実は、自分の中ではある2人の生身の方を思い浮かべながら書きますたw

っていうか、その2人のページも作りたいけど、生のもだし、見てくれる人が絶対いないからねw

とにかく、これからもお題の消化がんばりますw

この2人は、また頻繁に登場するかも知れませんw

では、感想なんぞを下されば、管理人は泣いて喜びます♪

 

2006年2月9日